MGB Buyer's Guide for Bigginers by Corkey.O | |||
MGB初心者のためのバイヤーズガイド
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関連記事: | The History of MGB |, The MG FAQ |, About MGB | ||
MGB Tourer | MGC,GT,V8 | Other MGB | |
MGBとライバル達
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3. MGBとライバル達
最初からMGBに決めている場合は良いとして、実際には漠然と「オープン2シーター・スポーツカー」程度に考えているケースが多いのではないだろうか。そうなるとMGB以外にも選択肢は数多く存在する。その中でMGBに決めるには、MGBに決める理由が必要である(それがあなた自身に対してか、財政を握る方に対してかは別として)。ここではMGBとの比較対象となりそうな車種を幾つか取り上げ、優劣を述べてみよう。
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MGB vs ミジェット | |||
MGスポーツの購入を考える時、最初に突き当たるのが「MGBにするか、ミジェットにするか」という選択である。確かに写真で見るとMGBとミジェットの違いというのは明確ではない。ボディ・スタイルも似通っているし、せいぜいサイズの大小が分かる程度のことである。しかし実際はその性格はかなり大きく異なっている。それを一言で言うなら「敏捷性のミジェット、ゆとりのMGB」ということになるだろうか。 ボディが小型軽量であることや重心が低いことなどから、ワインディング・ロードを軽快に走るならミジェットである。絶対速度こそ遅いかもしれないが、ドライバーの意志に忠実でありながら限界域での挙動が穏やかでコントローラブルというのは、まさしくMGのスローガンである「Safety Fast」の言葉通りと言える。 しかし反面限られた内装スペースは体格の良い人には辛いものであるし、小さい排気量と低いギア比は高速巡航には適さない。対してMGBはトゥアラーであってもシート背後には広いスペースを持っているし、お世辞にも広いとは言えないもののトランクルームもボディが大きい分だけミジェットよりはマシである。 大きな排気量は絶対出力の数値以上にトルクフルで、しかも中低速域で力強いのも現在の交通環境の中では心強い。 また本来オプションでUB2では標準装備とされた電磁式オーヴァ・ドライヴは、MGBにミジェットとは比べ物にならない高速巡航性能をもたらす。 ミジェットに比べれば敏捷性では劣るとは言え、MGBの運動性能もまた「スポーツカーの教科書」として「Safety Fast」そのものと言える。何よりその限界挙動の穏やかさとロード・インフォメーションの豊かさは、低い動力性能のクルマを速く走らせるために必要な、限界近くまでの追い込みを可能にしてくれる。 総じて言えばMGスポーツを自分のガレージに納める理由が「週末の走り主体」ならばミジェット、オールラウンドに「普段の足から趣味の対象までを1台で」というのならMGBということになるだろう。 |
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MGB vs MGF | |||
/MX5(ユーノス/マツダ・ロードスター) | |||
MGFは正しくMGスポーツの伝統と精神を今に受け継ぐ1台である。 しかしその成り立ちには33年の時間の流れが如実に反映されている。機械製品の進歩とは洗練と快適化(省力化)に他ならないとすれば、MGFとMGBの違いはまさにこの点にある。 電子制御エンジン/パワー・アシスト・ステアリング/整った空調・音響装備など、MGBにあってMGFにない装備と言えば、せいぜいオートマチック・トランスミッション(と言っても1967年〜1973年のわずかな期間のMGBに限ってだが)くらいのものである。 だがそれが「趣味の対象」となったときには必ずしも良いことだけではなくなるのが面白い点とも言える。MGBの原始的な構造は素人メカニックにでも「手を出してみようか」という気にさせるし、日本でも豊富に入手可能なチューニング・パーツで自分好みに仕立てるという楽しさもある。 それに新車とは言え外車のこととて、MGFもマイナー・トラブルと無縁という訳にはいかないというのが定説である。その時MGBは部品の供給体制も心配がないし、構造が簡単な分だけ扱ってくれる店も見つけやすいというものだ。 走らせてみればここでもやはりMGBの構造の単純さは功罪相半ばする。ドライバーの意志に対して介在するものが少ないゆえのダイレクト感は現在のクルマにはないものである。 しかしそれは高速クルージングなど、出来るだけ身体負荷の少ない運転をしようとする時には「暑い、うるさい」などということにもなる。MGBは公式には歴史が完結しているクルマだが、一方MGFには「今まさに歴史を作っている」という醍醐味があり、これは現役のスポーツカーでなければ味わえないものである。 MGBの現役当時を知らない世代にとっては、今MGBに乗るということはある意味で当時の追体験でしかないのだから。 ユーノス・ロードスターは、一時絶滅の危機に瀕していた「ブリティッシュ・ライトウェイト・スポーツカー」を日本の製造技術で復活させ、世界中で大ムーブメントを巻き起こした立役者である。 その開発の過程でMGBの血も一部入り込んでいることは有名で、実際にハンドルを握った感じも似通ったところがある。しかしそれはあくまで「似通った」というレベルであり、細かく見るとやはり同じ現代のクルマであるMGFとの比較に近い結論に到達する。 MX5のドライヴ・フィールは乗用車しか知らない者にとってはドライバーの五感に忠実この上ないものに感じられるだろうが、MGBとMX5の間にはそれと同等の差があると言える。 MGFの場合と大きく異なるのは信頼性である。これに関しては日本車の右に出るものはなく、この点をどれだけ重視するかによっては自動的に答えは明らかになってしまう。 総じて言えば「より高い趣味性を求めるならMGB、よい高い実用性を求めるならMGFかMX5」ということになるだろうか。 |
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MGB vs RV8 | |||
RV8はMGBの基本骨格を基に各部のリファインを行ったクルマである。しかしその性格はライトウェイト・スポーツだったMGBから、最高速度230km/h以上を誇るミドルウェイト・グランドトゥアラー的性格を強くしている。そうした見方をするとRV8のウッド&レザーの豪華な内装も抑揚の強いボディ・デザインも納得できるものである。 3.9リッターV8エンジンが発揮する圧倒的なトルクによる爆発的な加速力はMGBでは絶対に得られないものだが、反面ミッションとエンジン回転数を選ぶことで限られたエンジン出力をフルに引き出すというスポーツカーらしい走りの楽しさはMGBの方に分がある。 ハンドリングもRV8は安定志向が強く、またタイヤの太さもあいまってフットワークは軽快さよりも豪快さが勝っている。 この両者の長所を兼ね備えたものがMGB/GT V8やMGBトゥアラーV8コンバージョン・モデルと言うことができるが、いかんせん日本における台数が少なすぎるため、英国からの並行輸入に頼る以外にはないのが難点である。 総じて言えば「豪快さ」や「ラグジュアリー・トゥアラー」を求めるならRV8、「スポーツカーの軽快さ」を求めるならMGBということになるだろう。 |
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MGBとライバル達
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by MG PATIO <えむじい亭>マスターCorkey.O (MGB V8conv. called "Bee-3",Yotsukaido-CHIBA) |
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