今では、BMW傘下になってしまったRoverの、最後栄光と言えるでしょう。全長4mの現代ではライトウエィトと言えるボディに、4Lのビッグトルクを持つ、"Tourer"に特化したオープンスポーツです。どちらか、と言えば、Jugarのコンバーティブルと同様、大人向けの車です。
1995年よりデリバリーが開始され、2000台のうち、1250台ほどが正規に輸入されたようですが、事故で失われたり(4台は情報確認)、英国本国より安価な価格で販売されたり大英帝国及び日本限定販売されたため、円の弱くなった昨今再び海を越えたりで、残存数は減って来ています。 RHDをLHDにコンバージョンするキットも、ドイツでは発売されているようです。 この車が世にでたことは、嬉しいことではありますが、代わりに犠牲になった物もあります。 リジッドサスや、古い設計のボディシェルに無理矢理(MGC,GT-V8の実績はあるが)押し込んで再開発を行った故、ちょっとした問題はあります。ショートホイールベースによる軽快さと引き替えのスカットルシェィク、4Lのエンジンの発熱量は相当な物・・・。重いステアリング、少々不足と思われるブレーキサーボなど まあ そんなRV8ですが、もともとMGBも弱アンダーサイドであった故か、アンダーステア傾向であるとは言え、4Lクラスとは思えない軽快さを味わうことが出来ます。(舗装のうねり、EXp.Jには弱いので注意) MGBにローバーSD-1(VITTESE)の3.9Lエンジンを押し込んだBGT-V8や、Tourerボディを改造したTourer-V8で心配された、デフのトラブルに悩まされることなく、大トルクを享受でき進化した足廻りはかなり安心したコーナリングを提供してくれます。 重量的には、MGB UB2に比べても100kg程度の増でしかありません。鋳鉄ブロックの18G〜Vに対し、オールアルミブロックのV8エンジンでは、ほぼ同じ重量となります。
新設計の部分は、エクステリアでは、ウインドシールド、幌骨、フェンダー(前後)、ライト廻り(FRP)、バンパー、インテリアではシートなど内張、インパネ。メカニズムでは、クロスメンバーを含むFサス、リアリーフです。ミッションは、前期型、後期型で機種は違いますが、流用です。 モーガンが、当初の意匠を踏襲しつつ、現代技術を取り入れて生き残ってきたように、MGBも製造を続けていれば、こうあったであろう、思わせてくれる所が多々あります。
あ、いい忘れてました。クーラーは付いてますが、全く役に立ちません。 まあ、夏の昼間はきついですが、季節のいいときは、どんなハイパワー国産車より面白いです。パワーや、絶対速度は現代のファミリーサルーンですら、250馬力、トルク30Kgf超ですが。
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