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と あるスタビ製造会社の技術者(社長さん)から教えて貰ったお話です。
MGBやミジェットなどの「リーフ+リジット」式リアサスが、構造上、仕方
なく発生する<無用なハイキャス現象>について・・・・ m(_ _)m
<<えらいヤヤコシイお話です(@_@; お暇なときにどうぞ・・・>>
「リ ーフ+リジット」の構造は、ご存じの通り、板バネにリアアクスルが吊された格好で す。板バネの前端はアイブッシュを介してシャシーに固定され、後端はシャック ルを介してシャシーに吊されています。シャックルは、板バネの伸縮に伴う、バ ネの長さ(アイブッシュ〜シャックル)の変化を吸収する働きがあります。
さ て、いまMGBが左旋回をしている・・・としましょう。荷重は右に移り、右傾
斜のロールを発生します。つまり右の板バネが伸びているワケです。
このとき右の板バネの前端は、アイブッシュで固定されていますから動きませ
ん。したがって、板バネはシャックルのある後端へ伸びる、ということですね。
ところで、リアアクスルは板バネにU字ボルトでガッチリと固定されています。とい
うことは、板バネが後方へ伸びた分だけ、リアアクスルも後方へ伸びるって次第。
一 方で、左サスの板バネは、荷重が抜けて、むしろ縮む方向に作動しています。
すなわち、このときのリアアクスルは、左サスのU字ボルトを中心にして、右サスのU
字ボルトが弧を描くように、やむを得ず後方へ動いてしまい、車体の進行方向に
対して、僅かな角度を成しているんです。
それが結果的に、前輪操舵に対する「逆相位型ハイキャス現象」と同じ状態を
招いている、というわけです。
相 対に車速が低いときには全く影響がないのですが、リアをブレークさせて走る
ようなときには、後輪のアライメントはシビアに特性が現れます。特にFRの場
合は駆動輪でもありますから、トラクションのロスは致命的でもあるでしょう。
サーキットではラップタイムに・・・、山坂道ならスピンアウトの限界が低くな
るんですもんね。路面とタイヤのアドヒージョンが高くても、後輪が逆相位にキ
ャストしては堪りません・・・(^^;
対 策。まず、リアのロールを抑えれば、かなりの効果があるそうです。そのため
に、リアのスタビライザーは必要なんですワ。76年以降のMGB(GHN/5-410001)
には標準装備がされているらしいですね。またチューブ型アクスルなら、ちょっ
との加工で取り付けが可能なようです。
次 は、板バネを強力なクランプで挟みつけて、バネそのものの伸縮を抑制する方
法。即席の荒療治です。
そ の次は、伸縮の少ない板バネの装着。すなわちコンペ用の短い板バネ。スペシ
ャル・チューニングの「コンペ板バネ」は、バネレートが純正と同じ程度ですか
ら、狙いはシャコタンと、このキャスト対策のようですね。
と にかく、リジットアクスルは独立懸架に比べて、コーナーでのアライメント特
性に酷く劣るのは事実みたいです。
「 キ ャスト現象」以外にも、コーナリングの際に起きる、板バネの横方向の撓みも
、車体の慣性モーメントを考えると不利だといえます。切り返しなんかの荷重移
行では、板バネが横方向は撓んだ分、余分な慣性が発生していますから、ハンド
ルの操舵に対するリアの反応は、その分だけ遅れる、という理屈です。
対 策は、アクスルと直角に交差している板バネに「筋交い」のリンクを追加する
方法があります。家屋建築でいう「火打ち」に相当する位置。ただしこの手段は
、本来、板バネが撓んで受け止めていた「横方向のモーメント」を、今度は「ア
イブッシュ」と「シャックル」で受けることになりますから、シャシーのそれぞ
れのブラケットには、補強が必要かも知れません。
も う一つの方法は、スペシャル・チューニングの「V型
ロケーティング・ブラケット」なん
てのが出ています。現代のクルマの「ラジアス・アーム」や「ワット・リンク」
に近い働きをするもので、リアアクスルの左右方向の無用な動きを抑える仕掛け
。効果のほどは、付けた人を知らないので分かりません(^^;(よく聞く"アンチ・
トランプ・バー"とは別物です。)
・・・う〜む、いかん、いかん、アッシも書いてて肩が凝ってきました(^^;
まあ、こんなハナシは一種の運動力学というか理屈のひとつですから、ゴチャ ゴチャ言ってる暇があったら走りに行ったほうが、ず〜っと面白いってヤツです 、
はい・・・・(^^;; |